樹木は素敵なアーティスト。落ち葉と戯れるちょっと心地よい一日。 ウィーン旅行記、初めての野菜づくりの体験記も。コメントお待ちしてます!  
ブルックナーの眠る場所vol.4 ブルックナーオルガンの響き
2006年12月26日 (火) | 編集 |
僕は、可愛らしい老婦人によって礼拝堂の中に導かれた。

礼拝堂の天井を見上げた。その美しさといったら・・・
淡い優しい色彩の天井画、白や金色に輝く彫像たち。

(c)masayoshi ishii


おばあさんの指差す方向に振り向くと、そこには大きく美しく、堂々としたブルックナーオルガンが・・・
それらの全ては薄明るい自然光に包まれて、生き生きと輝いて見えた。

(c)masayoshi ishii


「わぁ・・・」
僕は、もう子供のようにただただ感嘆の声を上げ、それらを仰いだ。

おばあさんは、オルガンのパイプは、席の後ろの大きなものだけでなく、祭壇のすぐ左右の高いところにもあり、その3カ所から出る音で、礼拝堂全体が反響するのだと説明してくれた。(言葉がわからないのに、不思議と内容が分かった)

おばあさんは、低音用の巨大なパイプを指差し、
「ヴォーーーッ、ウ゛ォーーーーッ」その音を口で再現しようとする。
細い体にか細い声で「ウ゛ォ−−−ッ」と、一生懸命低い声を出す。
でも全然低くないのが、とっても可愛いのであった。

今度はおばあさんは、天井に向かって、
「ホーーッ、ホーーッ」と声を響かせる。
とてもよく響くことを僕に教えてくれているのだ。
その声の優しくふくよかな残響が、礼拝堂全体を包んだ。
僕は嬉しくて思わず笑った。その笑い声も優しく響いた。

おばあさんは、笑顔で自分の太ももをさすりながら「今日はとっても寒いから気をつけて!」というようなことをいい、
「アウフ ヴィーダーシェーエン(さようなら)」
と何度も言いながら、そして何度も振り向きながら、帰って行った。

ドイツ語のできない僕は
「親切にありがとう。とっても助かりました。」
「おばあちゃんも、体に気をつけてね。元気でね!」
などと、いろいろ感謝の言葉を伝えたかったのに、ただただ
「ダンケシェーン!ダンケシェーン!(ありがとう)」
と、一生懸命繰り返すことしか出来なかった。

もっと感謝を伝えたかったのに・・・
  言葉の出来ない悔しさと、お婆さんに対する申し訳なさが残った。

つづく

写真1:祭壇の左右にもオルガンのパイプがあり、奏でられる音楽は立体的に礼拝堂を包み込む。
写真2;ブルックナーオルガン。この真下の床下にブルックナーが眠っている。

次はブルックナーオルガンのショートコンサート体験記です!

2006.11.5 St.Florian Linz Austria
Canon EOS5D
TS-E24mmF3.5






テーマ:クラシック
ジャンル:音楽