樹木は素敵なアーティスト。落ち葉と戯れるちょっと心地よい一日。 ウィーン旅行記、初めての野菜づくりの体験記も。コメントお待ちしてます!  
賢治を訪ねて1。ぎんどろの落ち葉をお供えして
2007年11月02日 (金) | 編集 |
(c)m.ishii



宮沢賢治が愛した「ぎんどろ」の木々が、
黄色く色づいた葉を少しずつ落とし始めていました。

陽気な黄色の葉の表と、ふわふわした純白な葉の裏。
葉のフチの切れ込みもいろんなパターンがあって、
ぎんどろの落ち葉の佇む光景は、何だか楽しげです。


今は「ぎんどろ公園」と名付けられているこの場所は、
かつて宮沢賢治が教鞭をふるった、「花巻農学校」の跡地。
石碑には、賢治が生徒諸君に寄せた詩が記されています。


『この4カ年が、わたくしにどんなに楽しかったか。
  
  わたくしは毎日を、鳥のように教室でうたってくらした。

   誓って言うが、わたくしはこの仕事で、疲れを覚えたことはない。』



賢治の本当に正直な気持。
なんて幸せな時間だっただろう。

(c)m.ishii



9月に亡くなった僕の親友も、名門と呼ばれる高校の教師でした。
自分の教職の仕事を「天職」だと誇りにして、
惜しみなく情熱を注いでいました。
病気になって休職してからも、生徒さんが慕って遊びにきてくれるのを、
何よりの喜びとしていました。

彼が賢治と全く同じような言葉をよく語っていたことを思い出して、
僕は思わず涙があふれそうになりました。


宮沢賢治、そして教師であった僕の親友、
彼らは、何を残したのだろう。
面白い童話を書いたり、いい大学に進学させたり・・・
そういうものではない。
種を播いたのだ。いろんな人々の心に芽生える種を。

ほんとうに、こうやって、いろんなところで芽を出している・・・


(c)m.ishii



大きなぎんどろの樹冠の下で、
種から芽生えて、すくすく成長する何本もの幼木たちを眺めながら、
そんなことを思ったりしました。


(c)m.ishii




宮沢賢治のお墓は、花巻農学校跡のすぐ近く、
歩いて1分の「身照寺」というお寺にありました。
控えめな案内が出ている程度で分かりにくい分、うるさくなくていいのです。
本当に賢治と触れ合いたいなら、
史跡や展示品を観て回るのもいいけど、
ここに来るのもいいでしょう。


(c)m.ishii
(写真:身照寺)


あれっ、そう言えば、ここには「ぎんどろ」の木がないじゃないですか。
賢治さんが寂しがっているよ・・・

献花の代わりに、農学校跡地で何枚も拾ってカバンに忍ばせていた
賢治の好きな黄色い「ぎんどろ」の葉っぱを一枚だけ、
お墓に供えてきました。


賢治さんは、久しぶりに僕の供えたぎんどろの葉っぱを手にして、
いつも嬉しい時にやっていたように

「ホーッ、ホーッ!」

と叫んで、両手をまっすぐ挙げてくれたでしょうか。

「ぎんどろ」の葉っぱからは、
そんな賢治の明るさが伝わってくるような気がします。

(c)m.ishii
ぎんどろの葉っぱ。花巻農学校跡にて。


*一枚目の写真:黄色く表になっているのが、大木になったギンドロの葉。白い色の裏を見せているのが、若木の葉っぱ。成長するにつれ葉の切れ込みが無くなって、葉裏の毛も少なくなってくる。

2007.10.30 Hanamaki Iwate
Canon EOS5D EF100mm 50mm 35mm


コメント
この記事へのコメント
初コメントします。
東北に行かれていたんですね☆
写真のはっぱ素敵ですね。
彼らがのこしたの所わかる気が少しします。
彼の人柄ですよね。。
2007/11/02(Fri) 10:46 | URL  | あっちゃん #-[ 編集]
>あっちゃん
初コメントありがとうございます!
今日の夜中、東北から帰ってきました。
ブログは泊まったホテルで書いてました。全く便利な世の中になりました。
彼は、黄色が好きなようでしたよ。僕の乗っている黄色い車も、色がいいと気に入ってくれていました。
またコメントください。
2007/11/03(Sat) 02:24 | URL  | happa #-[ 編集]
東北にまだいらっしゃっているのですね。
明日のアートイベントの準備をしていたら、こんな時間になってしまいました。
旅行の写真楽しんでいます。
この葉っぱの裏には毛が生えているなんて、ちょっと予想外です(笑)。
2007/11/03(Sat) 02:42 | URL  | 傀熙瑚(Keiko) #-[ 編集]
>Keikoさん
明日イベントなんですね!
今回は仕事で行けませんが、いつか行きますね。
どうかお体に気をつけて、がんばってください。
2007/11/05(Mon) 01:17 | URL  | はっぱ #-[ 編集]
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